青く揺れる惑星に立って







マリンの宿題で、セブンスヘヴンの屋根に上って、 皆で星を見た。
どうしても皆で見たいとマリンが言うので、店の営業終了まで子供達はねばっていた。
クラウドは仕事でいなかったけど。
もこもこに着膨れたバレットは、本当にくまさんみたい。
デンゼルとマリンは着膨れてマトリーショカみたいで、 ほっぺはりんごのように紅い。
店の熱気でのぼせたティファの頬に、夜の寒気は心地良い。
建築中のビルはそのうち壁のようになるだろうけど、 それでも、エッジは空が見える。ということは、 星も見える。
周りの明かりと、どうしても埃っぽい空気のせいで、 ニブルヘイムには、及ばないけど…。
マリンが学校で作った星座表を見ながら、あの星があれだ、とか 北極星は、なんてやりとりをかわしていると、寒さなんて忘れてしまう。
バレットとっておきの双眼鏡で覗くだけでも、肉眼より多くの星が 見えるのだ。
そのせいでデンゼルは独占したがり、 マリンは「デンゼルのけち!」とふくれっ面。
バレットはマリンに 「いいな、『双眼鏡でも星がたくさん見えました。』と書いとくんだぞ。」 と念を押している。
やはり目に付くのは、これから中天にかかろうとする、 青白い大きな星、シリウス。
両手をポケットに突っ込み、ティファはシリウスを仰いだ。
ニブルヘイムでは、一匹狼の星、天狼星といった。
きっと一般的な名前ではないんだ。星座表には、そうは なかったもの。
一匹狼の星…
天を駆ける…
「ティファ!宿題終わった!」
「ティーファ!」
「ティーファ!もう下行こうよー」
数回名を呼ばれて、ティファはようやく気付いた。
「ごめん、もうちょっと見ていたい。先に戻っててくれる?」
そう、いつもなら子供達はとっくに寝ている時間帯なのだ。 あったかいお布団が恋しい。
おやすみのキスをして、子供達とバレットを見送った。
そうしてティファは、再び空を仰いだ。

手にした携帯電話が、青白い光を放つ。


星が綺麗だよ、星を見ましょう。


















傍らに止めたバイクをふと見やった。
思えば、野営も慣れたものだ。手順も、休んでいるようで休んでいない態勢も。
クラウドはオイルランプの灯を落とした。
星が降ってきそうな空。
思わず、見上げた。
気配は、無い。
聞こえるのは自分の呼吸と鼓動のみ。
星や寒気が澄んだ金属音でカチリ、カチリと鳴っている、そんな気さえした。
中天よりやや東側、幾千、幾万の星々の中にあって、 ひときわ輝く、青白い大きな星。
狩人の連なりにも、北の柄杓の連なりにも、どの星の連なりにも 与しないような孤高の輝き。
あれは天狼星というのだ、と誰が言ったのか。
どこにも属さず、自由で、独り天を駆ける狼だと。
無心で、見つめる。寒さも気にならない。
なんとなく、まだ、テントの中に横たわる気にはなれなかった。

手の中で、携帯電話が青白い光を放っている。


星を見た。とても、綺麗だ。




















冬は星がキレイだし、
そういえば『北斗の○』で、シリウスのことを天狼星といっていたなあと…。
そんなことから考えついた話。
何だかいっぱいツッコミたい気もするけど、スルーで。



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